私たちが普段何気なく使っている玄関のドアチェーンは日本の住宅事情において非常に馴染み深い防犯設備の一つであり多くの家庭で当たり前のように設置されていますが、その本来の役割や防犯性能の限界について正しく理解している人は意外と少ないのが現状です。ドアチェーンは基本的に訪問者が来た際にドアを少しだけ開けて相手を確認したり物品の受け渡しを行ったりするための来客対応用の補助器具として設計されており、これ自体が強力な施錠装置として侵入者を完全に防ぐものではないということをまずは強く認識しておく必要があります。例えば在宅中にドアチェーンを掛けているからといって鍵を掛けずに過ごしている人もいますが、これは防犯上非常に危険な行為であり、プロの空き巣や侵入犯にかかればドアチェーンなど特殊な工具やちょっとしたテクニックを使えば数秒から数十秒程度で切断されたり外されたりしてしまう可能性がある脆弱なものなのです。もちろんドアチェーンには飛び込み営業や不審な訪問者がいきなりドアを全開にして押し入ってくることを物理的に阻止するという時間稼ぎの効果や心理的な障壁としての役割は十分にありますが、あくまでメインの鍵を補完するための「時間稼ぎ」や「確認用」のツールであると割り切って使用することが大切です。最近では防犯意識の高まりとともにチェーンの素材も強化されたり外れにくい構造に改良されたりした製品も登場していますが、それでもバールのようなものでこじ開けられればひとたびも無く破壊されてしまうことは想像に難くありませんし、またチェーンを掛けた状態でドアを少し開けて換気を行うという習慣も、外からチェーンを外す手口が横行している現在では隙を見せる行為になりかねないため注意が必要です。正しい知識を持つことは防犯の第一歩であり、ドアチェーンは必ずメインの鍵とセットで使用すること、来客対応時もチェーン越しだからといって油断せず相手が怪しい場合はドアを開けない勇気を持つこと、そして古くなったチェーンや取り付け部分のネジが緩んでいないかを定期的にチェックすることなど、日々のちょっとした心がけが自分自身と家族の安全を守ることに繋がるのです。